テレビを見ながら、晩酌をしていると一瞬風が止んだ。
妻が「外で何か物音がしなかった?」と問いかけた。
「風で何か倒れたんじゃないか」私は何も聞こえなかった。
それから20分ほど過ぎた。
「又、何か物音がする。」と妻が言う。
今度は私も妙な胸騒ぎと共にガタンという音が聞こえたような気がした。
「ちょっと見てくる」
私は玄関のドアをそっと開け周りを眺めまわした。
「誰もいないよ」
部屋に戻ろうとすると郵便受けの取り出し蓋が空いている、何か届いているのかなと覗いても空っぽだった。
蓋を閉めたと同時に胸ポケットの携帯が鳴り響いた。
兄からの父の死を告げる電話だった。
春一番
虫の知らせや
届きけり
平成25年3月19日 父、満89歳にて永眠す。
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