村上春樹にはまっている息子がポツリとつぶやいた。
「珍しいな、お前が酒の話をするなんて。」
「ハルキのような生き様にあこがれているんだから、ここはどうしても飲まなきゃいけないっしょ。」
「よしわかった、ウォッカとトマトジュースそれからレモンだな。」
ハルキ本は1冊も読んだことがないのだが、カクテル図鑑系はよく目を通す。
ブラッディ・マリー (Bloody Mary) とは、ウォッカをベースとする、トマト・ジュースを用いたカクテルである。
16世紀のイングランド女王、メアリー1世の異名に由来するといわれている。メアリーは即位後300人にも及ぶプロテスタントを処刑したことから、「血まみれのメアリー」(Bloody Mary) と呼ばれて恐れられていた。(ウィキペディアより)
息子は私と違って呑兵衛ではなく、基本的に会社が休日の前の夜飲酒日と決めている。
とある金曜日、会社から帰宅途中スーパーでウォッカとトマトジュースを買いイソイソと家に帰ってきた。
「ただいま~ 今日のドリンクは Tのリクエストのブラッディ・マリーだぜ。」
「今夜Tは飲み会で遅くなるって。」
「そうか、じゃあ明日の夜にするか。」
呑兵衛夫婦は食事中トマトジュースがどうも気になってしょうがない。
「予行演習で一杯作ってみようか。」
「う~ん 少し塩を入れるってのもレシピにあるぞ。」
「キュウリスティックのトッピングもおしゃれだわ。」
「レモンはクラッシュしてグラスの底にってあるよ。」
一杯で収まるわけがなかった。
あっという間にトマトジュースは空になり、ウォッカボトルも残りわずかに。
「ただいま~。」
息子が帰ってきた。
血の気漂う食卓を見て、村上春樹は何を思うだろうか……?
言葉を無くした親子であった。

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