よっさん 元気です

友よ何処へ

多くを語らない彼、いや語れない彼。
一人暮らしの居場所を確認し、とにかく駆け付けた。
介護施設マンションの一室に彼はクラッシックを聞きながら車椅子でポツンと佇んでいた。
こんな形で再会するとはと胸が痛くなった。

丁度1年前彼はトルコにいた。
遺産巡りをしてきたツアー客を迎え入れるバスの前で。
彼の添乗員という仕事に対する情熱は並大抵ではなかった。
そして満足げなツアー客の笑顔を見ることに至福の喜びを感じていた。
その日も彼は、そんな瞬間を待っていた。
ところが神様は悲劇をもたらした。

バスの前に立つ彼は、体の変調に気付いた。
(左手が動かない……?おや 足も動かない……)
バスの中のガイドに伝えた。
「お客様達をホテルに送り届けたら次に私を病院に連れて行ってください。」
トルコ

ずーっと眠っていた。
目が覚めてもまだトルコの病院のベッドの上の自分に気付くには相当な時間を要した。
右脳内出血を発症、緊急手術。
左半身麻痺となった彼は、手術後安定と判断された後、日本に帰ってきた。
長期に渡る入院生活、思い通りに動けない、しゃべれない、耐え難い毎日を過ごし今年の7月に退院した。

「旨い酒呑んで、旨いもん食っての生活に罰が当たったよ。」
泣きながら話す彼に言葉が出ない。
「みんなに会いたい、みんなに会いたい……このままじゃ死にきれん……」
ドキッとした。
「何か生きがいを見つけなきゃ……」
ほっとした。

「近いうちにみんなを連れてくるよ」と約束し、部屋を出た。
テーブルの上の同窓会名簿が空白の10年間を物語っていた。
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