手探りでも自分の手で掴む明日は
確実に前に進んで行ける
香理-kaori- イキルチカラ より
おがせ池を横目にゆるやかな坂道を登ると、神社が見えてきた。
その神社の境内にその建物はあった。
明治10年ごろ祭礼で氏子が奉納する地芝居を上演するために建設された舞台「村国座」。
父の日を1週間後に控えた日曜日、ここで熱い物語が上演された。

岐阜市出身のシンガー・ソングライター「香理-kaori」さんは地元のファンの前で由緒ある「村国座」でコンサートを開いた。
古きもの、新しきものの融合によりかもし出すハーモニーはアロマの香りに包まれた。
百数十年、見守り続けた周りの森の木々もゆったりと優しい風にまかせ揺れていた。
彼女の良きスタッフリーダーは、じっと会場の片隅で見守っていた。
「私、大きな勘違いしていました。今日は父の日だとずーっと思っていたのです。来週だったんだ。」
観客から失笑がもれる。
「1週間早いけどお父さんには本当に感謝していますヨ。ア リ ガ ト ウ。」
観客はしんみりする。
「最後の曲です・・・・・・」

(写真は岐阜新聞webより
コンサートも終盤に近づいた、スタッフリーダーは目頭を押さえながらスタッフを促した。
「そろそろお客様のお見送りの準備だ、よろしく。」
スタッフ一同はリーダーの熱い思いとともに席を立ち会場の外に出た。
リーダーは何度も何度も娘からかけられた「アリガトウ」の言葉をかみしめていた。
全てが悪い方向に思えても
楽しかった過去まで否定しないで
今までの道にもすべてに意味がある
苦しみを乗り越えた今のキミが拠々にいる
香理-kaori- イキルチカラ より
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